今週のお題「あの人へラブレター」
私の父は1年前の5月に亡くなりました。
私は小さい頃から父が大好きで、父に対する反抗期もありませんでした。
ただ、恥ずかしくて口では好きだと言ったことはありません。
父の日や誕生日のメッセージカードで「お父さん大好きだよ」と
書くので精一杯でした。
冒頭の写真は、父への誕生日プレゼントの枕カバーに私が刺繍した「父」の漢字です。
赤い糸にして、小さなハートをつけて、何とか気持ちを表現しようとしたのでした。
父との思い出で一番に思い出すのは、
小学生の時、勇気を出して父の手を自分から繋いだことです。
大好きだと伝えたいのに、言えないもどかしさ。
それでも何とか伝えたくて手を繋いだという、甘酸っぱい思い出です。
がんで余命宣告された後、残された時間に何をしたいか考えて、
ただ抱きしめたいと思ったけど、結局それも恥ずかしくてできませんでした。
無理に言わなくても、態度で表現しなくても、
気持ちは伝わっていたかもしれません。
でも、それを確かめることはもうできません。
今更ここに父へのラブレターを書いても、もう見てもらうことはできません。
でも、相手が見ないラブレターにもきっと意味があると思います。
ラブレターを書く時間って、大切な人を想って過ごす時間だから。
それはとてもあたたかな時間です。
大切な人が増えれば増えるほど、
愛情を知れば知るほど、その時間が増えるのだとしたら、
自分が死ぬときは、そんなあたたかな時間に包まれて、
人生で出会えた愛を振り返ることができたら幸せだなあと思います。
伝えたいけど、うまく言えなくてもいい。
伝わってるか、確認しなくてもいい。
父とはそんな関係だったのだと、このラブレターを書きながらふと思いました。
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余談ですが、お墓参りのあと、よっぴぃに
「おじいちゃんはどこにいるの?」と聞かれました。
「お空の上だよ」と答えたら、空を見上げて、
「飛行機~♪」と指さしていました。
飛行機に乗ったら、お空の上のおじいちゃんに会えると思ったかな?
子どもの無邪気さに触れ、こちらまで心が透き通る気がしました。